“和食を薬膳で説く”‐黒豆で健やかな年越しを‐

2021.12.31

“和食を薬膳で説く”

 おせち料理には様々な食材が使われます。

 数の子、ごまめ、黒豆、昆布などにはそれぞれ、多産・豊年・長寿・家内安全の祈りがこめられていますが、実は薬膳理論から見てもとても理にかなっているのです。

 食材を陰陽五行説にのっとって五味に配当してみると、非常にバランスの良い組み合わせになります。

 
 その中でも、今年最後に取り上げるのは、黒豆。

 
 烏豆(うづ)という別名もある黒豆。

 中国では、病を治すという点では白大豆よりも優れている、と賞しています。

 
 黒い食べ物は五行で言えば水行に当てはまり、腎・膀胱を助けるとも言われますが、黒豆は”腎臓の栄養源となって血流を活発にし排尿をよくする”と『本朝食鑑』にも記されています。


「煮汁を飲めば鬼毒(病邪)を殺し、痛みを止める」

「煮汁は、あらゆる薬の毒を解く。」

 
 『本草綱目』によれば、“トリカブト(猛毒。でも香附子という生薬でもあります)の毒をも解く”とありますから、その解毒作用にはびっくり。

 
 お正月のお料理では、黒豆は甘めに煮ることが多いかもしれませんね。

 
 でも煮方によってシワがよってしまったり、固くなってしまったり…結構コツがいるようです。

 
 今回は、黒豆を使った簡単な民間療法をご紹介します。

 
【黒豆の煎じ汁】

 

材 料:黒豆40g・水5カップ ・好みでハチミツなどの甘味料

作り方:

①黒豆をさっと水洗いしてホコリや汚れなどを取り除く。

②鍋に水、黒豆を入れて水から煮出す。

③沸騰したら弱火にして約50分煮る。

13回飲む。声枯れやせきがひどいときは、回数を増やしてもよい。

 

 煎じ汁はおせち用の黒豆煮とは違い、アク抜きの手間もなくただ火にかけるだけ。

 煮出すとまもなく水が真っ黒になるのは「アントシアニン」というポリフェノールが溶け出したためで、昔から民間療法として「喘息」「気管支炎」「のどの痛み」「咳止め」などに効能があるとされてきました。

 また、この煎じ汁は肝臓を強化する作用もあり二日酔いにもよいので、何かと飲酒する機会の多いお正月にぴったり。

 

 ぜひ黒豆の力を借りてみてくださいね(*^^*)

 

 さいごに…

 本年も大変お世話になりました。

 来る新年が、皆さまにとって笑顔と安らぎに満ちた健やかなものでありますように。

 

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